福祉・教育などのインフラ整備を阻む資材・人材不足
台東区
7月25日、台東区議会は臨時会を開き、5月入札不調になった公共工事2件の契約について議決した。
6月の第二回定例会での公共工事契約の議決案件でも、入札環境の厳しさが明らかになり、私は区の予定価格を適正なものにすること、を強く求めた。これに対し理事者は「積算方法の検証を検討する」と答弁した。
今回議決した生涯学習センター大規模改修電気設備工事請負契約の予定価格は、不調になった予定価格を2億円(約2割)上回るものだった。それでも1社のみの入札だった。
理事者は、不調になった入札予定価格は前年度の水準で見積もったため資材メーカーの新年度価格が反映されていなかった、と予定価格の乖離について説明した。
一方で私が、同じ条件で契約に至った30件の電気設備工事では乖離がなかったのか、と質すと、問題は生じなかった、との答弁だった。にわかに納得できない。
いずれにせよ、区の入札時に設定する予定価格の「精度」について、さらに真剣に検証すべきである。
同時に、教育や福祉のインフラ整備を脅かす、大阪万博や東京臨海部の高層建築物建設、外苑や築地市場跡地の再開発など、大手不動産会社の利益優先の経済と財政のあり方に対し、区としてモノを言っていく必要がある。