都が蔵前工定時制廃止、撤回させましょう

学校教育

 東京都教育委員会は22日、令和8年度入試から、都立高校6校の夜間定時制課程で生徒募集を停止(10年度末廃止)する方針を明らかにしました。台東区の蔵前工科高等学校の定時制課程も含まれています。夜間定時制高校は、少人数で専門課程があり、高校中退や不登校経験者、外国にルーツのある子どもなど多様な支援ができる貴重な役割を担っています。廃止すべきではありません。

 蔵前工科高等学校は1924年に東京市立浅草工業専修学校として、浅草馬道の富士尋常小学校内で夜間に授業を開始し、以来100年にわたり工業技術のスペシャリストを育成し、産業界を担う多くの人材を輩出してきました。また、設備工業の分野を学ぶことができる都内唯一の高校です。

都は「都立高校改革推進計画」に基づき、8年前に4校の夜間定時制を廃止する方針を決定。うち2校は「定時制を守って」という卒業生や都民の声が広がり、募集を停止できないできました。

今回はそれにもかかわらず、さらに蔵前工含む6校の募集停止に踏み切ったのです。言語道断です。

都はチャレンジスクールの定員を増やすなどして不登校経験者等の受け皿にしているから、と定時制縮小を合理化していますが、異常にゆがんだ競争教育のもとで傷ついた子どもや、急増する外国人の子どもをはじめ、年齢にかかわらず、少人数で一人ひとりに合わせた支援ができるのが夜間定時制の重要な役割です。

蔵前工は建築や設備工業の専門的知識・技能を修得できる特別な学校です。募集停止~廃止は認められません。世論と運動を巻き起こし、都に断念させましょう。