借上げ高齢者住宅は存続し、区営住宅増設、家賃補助の実施を ~区が、借上げ高齢者住宅4カ所・69世帯の廃止方針示す 田中まさや議員が、区政リポート8月28日号を発行しました
借上げ高齢者住宅4カ所・69世帯の廃止方針示す
借上げ高齢者住宅は存続し、区営住宅増設、家賃補助の実施を
高齢者にとって、廉価で良質な住宅に住みたいとの願いは切実です。いま、区内でも賃貸物件の家賃の値上げが続いており、年金で借りられる物件は極端に少なくなっています。そのうえ、家主が高齢者への貸与を渋るケースも増えています。こうしたなかで、「住まいは人権」との立場で、高齢者に良質で低家賃の住宅を確保することは、渋谷区の重要な責任です。
日本共産党区議団は、一貫して①区営住宅の増設、②家賃助成で、区民の「住まいの権利」を保障するよう求めてきました。
区が「借上げ高齢者住宅」を廃止する方針示す
ところが、区はこの責任を放棄し、渋谷区の借上げ高齢者住宅を廃止しようとしていることが明らかになりました。
7月28日の都市環境委員会に報告された「区営住宅の今後について」によれば、現在4カ所69世帯ある「借上げ高齢者住宅」(下表参照)を廃止し、別の区営住宅に集約する方針が示されました。
区は、借上げ高齢者住宅について、①賃貸借契約のため供給が不安定、②借上げ費用が高額、③住宅の老朽化、④修繕費がオーナー負担のため、計画的な修繕・長寿命化が困難、などの「課題」を解決することを理由にしていますが、圧倒的に不足している高齢者のための公共住宅を「廃止」することは許されません。
仮にそのような理由があるにしても、新たな区営住宅を十分供給し充足した上で検討すべきであり、現在そのような状況にないことは明らかです。
党区議団は、借上げ高齢者住宅の廃止に反対し、区営住宅の増設と家賃補助の実現を求めます。
今号では、第2回定例会の牛尾区議団長の代表質問と長谷部区長の答弁をご紹介します。(どちらも要旨)

区内では、安いアパートが次々と民泊に置き換えられ、立ち退きを迫られた高齢者が区外に転居せざるを得なくなったり、子どもが実家から独立できない、2世代で50年のローンを組まなければマンションが購入できないなど、高い住宅費が人間らしい生活を圧迫する事態が広がっています。区が行った長期基本計画アンケートでも、渋谷区に住みたくない理由のトップが「家賃・住宅価格や物価が高いから」で49%に上っています。
開発優先のまちづくりと市場任せの住宅政策では、区民の安定した居住を保障することはできません。安心して住める住宅確保を、区の重点施策として取り組むべきです。
①公営営住宅の増設を
東京都は、28年前から都営住宅を1戸も新設していません。直近の単身者向け都営住宅の応募倍率は、広尾アパートが125倍、区営住宅も42倍となっており、当区では公営住宅のさらなる整備が強く求められています。
東京都に対し、公営住宅を求める区民の実態を伝え都営住宅の新規建設に踏み出すよう求めるべきです。また、区としても、ただちに区営住宅を増設するとともに、供給計画を長期基本計画などに盛り込むべきです。
②家賃補助の拡充・創設を
日本共産党東京都議団は、東京の民間借家の4割に相当する100万世帯規模で、月1万円の家賃補助、家賃減税制度を作り支援することを提案しています。
23区でも、世田谷区が、今年度から若者夫婦世帯と子育て世帯の住宅取得や住み替えを支援しています。杉並区では前年度の区営住宅優遇抽選で落選したひとり親、多子世帯に対し、年度単位で月2万5千円、年間30万円を支援しています。
東京都に対し、家賃補助制度の実施を求めるとともに、渋谷区でもかつて実施していた若者単身、子育て世帯向けの家賃補助を現在の状況に合わせて復活させるとともに、杉並区のように区営住宅落選者への家賃補助を実施すべきです。
長谷部区長答弁
都営住宅の増設については、私から要望する考えはありません。また、区営住宅の増設については、国が平成18年に住宅建設法を廃止、住宅生活基本法を制定し、住宅ストックの量が充足したことから、既存ストックの活用へと方向転換しています。昨年度に中間見直しを実施した本区の住宅マスタープランにおいても、既存の区営住宅の建て替えによる複合施設化の方針を示しており、区営住宅の増設も長期基本計画などに盛り込む考えはありません。
家賃補助は対象者の所得や住宅困窮度に応じて実施すべきであり、若者単身者やファミリー世帯、区営住宅に落選したことを理由に、家賃補助制度を実施する考えも、都に求める考えもありません。