社会福祉事業団創立40年~問われる区の支援のあり方㊤
区が基本財産を出資し1986年に設立した台東区社会福祉事業団は今年、設立40年を迎えます。事業団は、特別養護老人ホームや高齢者在宅サービスセンター、児童館やこどもクラブの運営、介護・福祉人材の確保・育成など区民福祉にとって重要な役割を担ってきました。国が大軍拡と社会保障削減をすすめるもとで、区が福祉第一の使命を貫くうえで事業団の役割はさらに大切になります。台東区の支援のあり方が根本的に問われています。
台東区は区の政策的福祉の展開、民間事業者ではできないサービスの提供などを同事業団に担ってもらうことと併せ、運営への支援を行ってきました。また、情勢の変化に対応した事業団の役割について、2007・2015・2022年度の3回にわたり事業団とともに「あり方検討会」を開いて方向性を打ち出してきました。
政策面では、2007年度「あり方検討」への対応として、介護予防・通所介護では玩具ケア実施や口腔ケアの充実、こどもクラブへの障害児受入れ体制拡充など。2015年度対応では特養ホームでの多床室確保、認知症デイサービスの提供など。2022年度対応では特養ホームでの共生型サービス実施、児童館のランドセル来館拡充、かがやき長寿ひろばなど。これらは区民の福祉ニーズに対応した取り組みであり、評価できます。
しかし同時に、区立の特別養護老人ホームや児童館併設以外のこどもクラブからの「撤退」をすすめます。台東、蔵前、浅草の3つの区立特養の指定管理者が他法人に切り替わり、三ノ輪・千束・蔵前の3特養を統合した竜泉設立の際も、指定管理者は当初、他法人となり、この法人が撤退したため事業団が指定管理者となった経緯がありました。
こどもクラブは2015年度「あり方検討」で「児童館に併設していないものについて、運営事業者の公募期間に合わせて新たな担い手に運営を引き継ぐものとする」として、2016年度から2020年度に8クラブを「手離し」ました。これらの事業縮小方針は事業団の福祉へのモチベーションを低下させたのではないでしょうか。
「あり方検討会」のメンバーには事業団の固有職員(区管理職OBの再雇用は除く)は、ほとんど入っていません。2022年度では8人中1人だけです。区は事業団を「自律的・安定的」な運営にしていく、としながら、民主的な進め方をしてきたとはとても言えません。 (つづく)
写真は区ホームページより掲載