許せない! 台東区がホームレスの人を避難所に受け入れ拒否
台風19号の暴風雨が吹き荒れる10月12日午後、台東区が開設した自主避難所が、ホームレスの方の受入れを拒否しました。
私は当日SNS上でこの問題を知り、すぐに災害対策本部に事実確認をしました。そこで、受け入れなかった事実、それが組織としての決定であることを確認し、すぐに姿勢をあらため受け入れるよう申し入れました。しかし、今後の教訓にすると、災害対策本部は方針を変えませんでした。
「命の危険から身を守る行動を」とよびかけが続く中で、台東区は人間を命の危険にさらす行為を行ったのです。重大な人権問題です。
この件について、15日、区長がコメントを出しました。しかし私は、この文書に区長の人権意識の希薄さを強く感じました。
15日のコメントは、避難所の対応が「不十分」だったとしています。
しかし、今回の対応は、「不十分」ではなく、行政として誤った行為です。
また、コメントは「避難できなかった方がおられたことにつきましては大変申し訳ありませんでした」としています。これは、世間を騒がせたことへの謝罪であり、明らかに受け入れを拒否されたホームレスの方に対して向けたものではありません。明確に当事者に対して謝罪すべきです。
今回の区の行為は、様々な理由があってホームレスになっている方たち、人種、信条、性別、身体的ハンデなどで差別がない社会を願う日本国民の多くを傷つけることになりました。
コメントでは「区民の皆様へ大変ご心配をおかけしました」とあります。心配とはどういう内容なのでしょうか。区民が一番心配したのは、台東区が社会的弱者に対して、命にかかわる差別的行為を行ったことです。
失業や病気、配偶者や親からの暴力、職場や寮でのパワハラやセクハラ…などなど、私はバッジを預かってから、帰る場所を失った方たちにたくさん出会ってきました。ホームレスになった理由は一人ひとり全部違います。
それだけに、台東区行政の大本で、人権に対する意識が衰えているのではないか、と底なしの危機感を感じます。
コメントは、庁内で検討組織を立ち上げ、災害時にすべての方を援助する方策について検討する、としています。自主避難所を含む避難所運営での方針を策定し、二度とこのようなことを起こさぬことは当然です。
しかし、検討会の検討の大前提に、今回ホームレスを受け入れないという方針を災害対策本部が決定した、その理由は何だったのか。その点を十分に掘り下げる必要があると考えます。受け入れ拒否の理由はなんだったのか、台東区の人権感覚の根幹にかかわる問題を明らかにしなければなりません。
それを解明しない限り、災害時の避難所問題にとどまらず、区の行政全分野でかかわる人権問題での、区民の心配は払しょくされません。区議会で追及します。