台東区は4月23日、高齢者のワクチン接種券を発送へ。国は供給の正確・迅速な情報提供を!
台東区は4月23日、区内に住民登録がある65歳以上の高齢者に、新型コロナウイルスワクチンの接種券を発送します。5月17日から予約が始まり、以降、病院、集団接種会場、診療所の順に接種が始まる見込みです(左図参照)。問題はワクチンがいつ、どれだけ供給されるのかという見通しが国から自治体にしっかり示されないこと。政府は正確な情報迅速に伝えるべきです。
台東区は3月31日、「新型コロナウイルスワクチン接種実施計画」を発表。希望する区民が円滑で速やかに接種を受けられるような体制の整備、効果と副反応などの適切な情報提供などの基本方針のもと、対象者・開始順序・体制など、区民に方針を示しました。区ホームページ、「広報たいとう」3月5日号・4月5日号を、ぜひご覧ください。
区は円滑かつ速やかな接種を可能とする準備をしっかりすすめています。問題はワクチンの確保や供給についての国の遅れです。これまでも二転三転し、国会等でも大きな問題になっています。これでは実施に責任のある自治体の予定が狂ってしまいます。
台東区の場合、ワクチン供給量が少ない当面の段階では、感染の重症化・クラスター化のおそれがある高齢者施設から始めることにしています。区としては、いつまでに、どのくらい届くかにより、スケジュールが大幅に変わりかねません。
現在は担当大臣が、5月末までに全国の高齢者の半数に1回目分の接種、6月末までに全高齢者の2回分の接種が可能な分量のワクチンを供給すると発表しています。必ず実現するとともに逐一正確な情報を示すべきです。
医療従事者の先行・優先接種は国と都の責任ですが、区内医療従事者のどのくらいが接種を終了したのか、区に報告されていません。陽性者との接触機会のおそれがある保健所職員等のワクチン接種も国や都が行うべき仕事のはずです。
ワクチンはコロナ収束への有力な手段です。同時に、発症予防効果は臨床実験で確認されていますが、感染予防効果については厚労省も「明らかになっていない」としています。「ワクチン頼み」になって、検査・保護・追跡という感染対策の基本的とりくみがおろそかになったら感染を拡大させかねません。
台東区はじめ基礎的自治体は、「ワクチン接種」と「感染拡大防止」という2つの大事業の実務の両方を同時に担っています。しかし、長引くコロナとのたたかい、「第4波」到来への不安などで、保健所も地域医療機関も疲弊しています。
保健所体制の強化や、医療機関の減収補填、医療従事者の思い切った待遇改善などに、国が財政的な裏付けをもった対策を講じるよう強く求めます。