台東区、1~3月の学校園の給食費を無償に。制度へ前進を!

子ども・子育て・保育

台東区は第4回定例会に、来年1~3月、小中学校、幼稚園・保育園・認定こども園(私立を含む)の給食食材費を追加支援し、保護者負担が生じないような措置を講じる補正予算案を提出することを決めました。

このたびの区の対応はあくまで物価高騰に伴う緊急経済対策で、給食費無償化という制度に踏み出したものではありません。今定例会には区民から「小中学校の給食費を完全無償に」との区民からの請願が出されています。23区では葛飾区に続き世田谷区も学校給食無償化に踏み出すと表明しました。台東区も来年度からの学校園の給食費無償化を決断すべきです。

日本共産党台東区議団はこれまで繰り返し学校給食費無償化を求めてきました。これに対し台東区教育委員会は、学校給食法と就学援助制度を理由にこれを退けてきました。自民党などからは「おねだり」という攻撃もありました。

しかし、子どもの貧困の深刻化と子育て家庭での教育関係費負担の増大がすすむ中、給食無償化の願いは強まる一方です。憲法26条の義務教育無償の原則、学習指導要領等での食育としての位置付け、所得制限づくめの子育て・教育支援への批判の高まり…など、根拠も厚くなってきました。

今回の区の決断は重要な一歩です。同時に、無償化3か月の予算は1億6千万円余。年間6億4千万円です。年間100億円の剰余を出す区財政です。完全無償化につなげる勇断が区長に求められています。

 

3~5歳児の無償

ようやく台東区も

2019年の「幼保無償化」に伴い、3~5歳の保育料は廃止になりました。しかし給食については、国が無償化の対象にしなかったことで、自治体ごとの対応に大きな相違が出ました。

台東区は国が定めた給食費無償の対象である年収360万円に上乗せし、650万円までの世帯について給食費を無償にしてきました。しかし東京23区では18区が所得制限そのものを既になくしており、3~5歳児の給食費を完全無償にしていないのは、台東区、中央区、港区、世田谷区の4区だけです。

日本共産党区議団は幼保無償化移行の際、強く完全無償化を求めましたが、区は所得制限にこだわりました。今回の幼稚園、保育園、こども園での給食食材費補助は23区では極めて遅い対応と言わざるを得ません。