保育園で始まる給食費徴収。日本共産党区議団は無償化条例を提案。

子ども・子育て・保育

10月、幼保「無償化」と同時に、保育園の3~5歳児の給食費徴収が始まります。

9月19日の区議会に、日本共産党区議団4人が給食費無償化の条例を提案しました。残念ながら否決になりましたが、これまで「年収360万円まで」としていた区はこの日、対象を「年収680万円」まで拡大しました。

みなさんの声と、私たちの提案と、共同提案はできないが無償化を望む区議会の中での動きが、区を動かしたことは間違いありません。

23区のうち18区は無償です。がんばりましょう!

以下、私が議案を提案した理由です。(当日の委員会で表明)

議員提出第6号議案について説明します。

国は2019年10月1日から、いわゆる幼保「無償化」を実施します。同時に、これまで保育の公定価格に含まれていた3歳児以上の給食食材費を公定価格からはずしたために、給食費は主食費・副食費とも保育園の実費徴収になります。

台東区は、今議会に第42号議案で、食事の提供に要する費用を徴収することができるという条例改正案をすでに提出し、先ほど説明がありました。

私たちが提出する議案は、10月からのいわゆる幼保「無償化」と同時に実費徴収となる、特定教育保育施設である保育園および幼稚園の給食費を徴収しないこと。また、これまで徴収してきた認定こども園と特定教育・保育施設の私立保育園の児童の給食費を無償にするためのものです。

議員提出第6号議案、新旧対照表の5ページをご覧ください。

「台東区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準に関する条例」の第13条第4項第3号「施設は、食事の提供に要する費用を保護者から受け取ることができる」を削除します。

この改正により施設は、すべての保護者から「食事の提供に要する費用」いわゆる給食費が徴収できなくなります。保育園が給食費を保護者から徴収できないのに、区は給食の提供を含む保育を施設に委託する訳ですから、当然、給食費は区が負担しなければならなくなります。

あわせて、現条例で主食費として徴収されている認定こども園の短時間保育児童および特定教育・保育施設である私立幼稚園も給食費が徴収できなくなり、全額区の負担になります。また、現在は実施されていない区立幼稚園で給食が実施されるようになった場合も全額区が負担することになります。

今回のいわゆる幼保無償化について、政府は「少子高齢化という国難に正面からとりくむため、子育て世代や子どもたちに大胆に政策資源を投入する」(宮腰光寛少子化対策担当大臣)と考え方を示しています。

給食は保育の最も重要な一部であり、食育の根幹です。

どの子も等しく豊かな給食が保障されてこそ、本気の少子化対策です。

0歳~2歳児はこれまでどおり給食食材費について保育の公定価格内に包含しながら、3歳児以上は公定価格からはずして実費徴収する国の方針は、あきらかに法改正の趣旨・理念と矛盾します。認定こども園の短時間保育を含む幼稚園児の給食食材費も含め公定価格内に位置づけ、全額公費負担にしてこそ理念に近づきます。

台東区はじめ東京特別区23区は、給食費のうち主食費については徴収できるとしながらも長年補助してきました。今後も継続するようです。今回問題になっているのは副食費についてです。

今回の法改正に対し多くの自治体が対応に腐心してきました。その結果、東京23特別区のうち18区は独自財源を充当して副食費を全額補助する方向です。副食費を徴収するのは台東区含めわずか5区です。国の政策に矛盾があっても、子どもや保護者の立場に立ち、教育・福祉をまもるのが自治体の使命です。台東区は徴収すべきではありません。

最後に、新たに保護者から実費を徴収する私立保育園の事務負担も大変です。保育料は区が徴収してきました。保育実施義務を負う区が、保育を委託しながら、給食費徴収を負わせるのはあまりに矛盾しています。

この面からも徴収すべきでないことを申し添えます。

以上、説明を終わります。