区独自で医療対応できる療養施設を。区議団が区長に緊急要望

日本共産党台東区議団は8月19日、服部征夫台東区長に、コロナ感染の爆発的拡大から区民の命を守るための緊急要望書を提出し、直接協議しました。コロナで9回目の要望書です。
 
区として医療的な対応ができる療養施設を緊急に整備してほしい、と私たちは強く訴えました。昨年の第二波、5回目の要望時、区長は自宅療養はあってはならない、と表明していたからです。
これに対し区長は、自宅療養は望ましくない、と変わらぬ姿勢でした。ただ、具体的な療養施設整備については、区長会を通じ強く要望していく、とし、区独自の整備までは表明しませんでした。
 
自宅療養者の支援について、議論が集中。区議団は、24時間医療対応ができるようサポートセンターを設置し、健康観察、往診・訪問看護、生活支援のワンストップ対応窓口をつくること。そのために酸素濃縮装置やパルスオキシメーターを区として確保し、活用すること、などを強く求めました。
 
また、2学期までに教職員と学校関係者のワクチン接種と検査をしっかり行うこと、区職員とエッセンシャルワーカーの定期的PCR検査を行うこと、コロナ融資の返済猶予期間延長と信用保証料無料など、要望しました。
 
 
以下、全文です。

 

台東区長 服部征夫様

新型コロナウイルス感染の爆発的な拡大から

区民のいのちをまもるための要望

2021年8月19日

日本共産党台東区議団

 

新型コロナウイルス対策でのご努力に敬意を表します。

コロナ感染が広がる中で五輪の開催が強行され、今月中旬には全国で2万人、東京で5千人を超える日が続き、感染の拡大は爆発的です。

政府は自宅「療養」原則との入院抑制方針を打ち出し、東京都もコロナ以外の医療行為を抑制し「制御不能」との見解を公表するなど、今、日本と東京は医療崩壊の状況に突入しています。

台東区内でも感染者、自宅療養者が急増しています。ここにきて、子どものいる家庭と子どもへの感染、保育園や児童館、こどもクラブでの陽性者が増加。中には明らかにクラスターととらえられる事例も発覚しています。不眠不休の保健所職員のがんばりも限界を超えているのではないでしょうか。

職員にも連日のように陽性者が出ています。区民部・福祉部では区民と接する部署の職員が、環境清掃部では清掃事務所職員で多くの陽性者が生まれています。

台東区内で「救える命が救えない」危険が刻々と迫っています。そこで下記の事項を要望いたします。

 

  • 国・都に対し以下の要望を緊急に行うこと。
    • 感染拡大を防ぐためパラリンピックを中止すること。
    • 五輪選手村の施設と五輪に動員された医療スタッフの一部を活用して、医療行為ができる療養施設を整備し、自宅療養者を大幅に減らすこと。
    • 都として自宅療養者を収容して治療・療養できる大規模施設をつくること。
  • 台東区独自で、大規模用地等を活用して自宅療養者を収容する療養施設を早急に整備し運営すること。区内病院のコロナ回復期患者を受け入れるベッドを確保すること。
  • 簡易宿所で陽性者が出た場合、洗面所やトイレ等が共同の宿所内での療養は感染を拡大させる危険があるので、他の療養施設を確保すること。
  • 区内の医師・看護師・薬剤師をはじめとした医療関係者、介護・福祉関係者を総動員して、自宅療養者のサポートセンターをつくり、健康観察、訪問診療・看護、介護、生活支援等のワンストップ相談を受け、対応できるようにすること。保健所がそれを統括できるよう、人員体制を大幅に強化すること。酸素濃縮装置を確保し、ここで活用できるようにすること。
  • 区は自宅療養者への訪問診療体制の整備、パルスオキシメータ―の全件貸与を行うこと。また、食料品、生活物資を東京都任せにせず供給し、自宅療養者が外出しなくても済むように徹底すること。その際、物品の購入先は区内中小商店を優先すること。
  • 子どもへの感染が急拡大しています。子どもの発熱ではなかなかPCR検査にまわしてもらえない実態があります。医療機関に対し、発熱した子どもに対する検査を積極的に行うよう指導すること。
  • 直近で接触した人や同じ職場で陽性者が発生した場合等、感染の不安がある区民は、医師の診断でPCR検査を行政検査として受けられるようにすること。
  • 区職員も含めエッセンシャルワーカーのワクチン接種を迅速にすすめるとともに、定期的なPCR検査を行うこと。この間の職員の感染については感染原因を究明・検証し、全部局で共有し対応に当たること。
  • 小中学校・幼稚園の教職員・関係者のPCR検査を、2学期開始前に複数回行い、2学期開始以降は週1回行うこと。保育園、こども園、こどもクラブ、児童館職員の週1回のPCR検査を行うこと。

10. 学校、幼稚園、保育園、こども園、児童館、こどもクラブ等、子どもが通う施設で陽性者が出た場合、旧来の濃厚接触者の狭い定義にあてはめず、速やかに全員のPCR検査を行うこと。検査まで時間がかかる場合は、検査キットなどで暫定的な検査を行うこと。

 11.保護者が感染した場合、保健所、子ども家庭支援センターが連携し、自宅療養で子どもに感染させることを防ぐためあらゆる策を講じること。感染した子どもの心のケアを継続的に行うこと。

12. デルタ株が感染の主流になり、子どもへの感染力が飛躍的に強くなっていることに鑑み、区の学校園版感染症ガイドラインを厳しく見直すこと。

13. 2学期から授業や朝会など小中学校がオンラインを活用した活動を拡充すること。そのため学校と家庭の双方向接続テストを全校で行うよう指導すること。

14. 在宅介護従事者等、非正規のエッセンシャルワーカーが濃厚接触者になって休業せざるを得なくなった際の補償を事業者と共同で支援すること。

15.区のコロナ対策特別融資の返済については猶予期間を延長するとともに、信用保証料負担が新たに発生しないようにすること。