「国民保護計画」改定より、外交の力こそ安全への具体的力
台東区は今年度、台東区国民保護計画を変更します。前年度、東京都が「ミサイル攻撃を現実的な脅威ととらえ対処を強化」するため変更したことに伴うものです。世界的に戦争状況が広がる中で国と自治体が有事対処方針の具体化を進めています。しかし保護計画の内容は現実性・実効性に乏しく、外交で戦争の火種を取り除くことの方が現実的です。また、区民の人権が侵害されないようチェックすることが求められます。

台東区は3月3日、区議会企画総務委員会に計画変更方針を報告。現行の計画は戦争法(安保法制)施行と同時2016年3月に策定され、以降改定はありませんでした。国・都・区・関係機関と住民の役割を警報、避難、救援、災害への対処ごとに整理する、としています。
国は3月31日、ミサイル攻撃を受けた場合に国民が避難する「シェルター」確保に向けた基本計画を閣議決定し、2030年までに市区町村が全住民を収容できる「緊急一時避難施設」を確保する目標を掲げました。
東京都は保護計画改定と並行し、地下鉄大江戸線「麻布十番駅」構内に長期間避難・滞在できる「地下シェルター」を今年度着工します。
区の計画改定は、これら国や都の一連の動きと軌を一にしたものです。
現在、都が指定している約4600か所の「緊急一時避難施設」。3月27日現在、台東区では77か所が指定されていますが、地下鉄駅や上野地下道など爆風や破片から身を守る上で安全性が地上より高いと言われる地下施設は20か所に過ぎません。ウクライナやガザ地区、イランやレバノンへのミサイル攻撃を見れば、区内「緊急一時施設」の大半を占める小中高校や特養ホームなどが安全の実効性があるとは考えられません。
私は委員会で、こう主張しました。
「都が麻布十番駅にシェルターをつくる背景には、横田基地にある在日米軍司令部を自衛隊との連携強化のため「赤坂プレスセンター」(麻布米軍ヘリポート)に移転する動きがあるからだ」。
「米国とイスラエルがイランを先制攻撃し、イランは報復で近隣国の米軍基地をたたいている。一番危険なのは都心部に移転する日米の軍の指揮統制機能に弾道ミサイルが飛んでくる可能性を高める」。
そして「区長は、国保後計画を変更するより先に、在日米軍司令部を麻布に移転させるな、と国に進言すべきではないか」と迫りました。
これに対し理事者は「国家間の安全保障に関するもので、まずは国において議論を検討されるべきものであり、現時点で国への申し入れ等については考えていない」と答えました。
国防は国の専権事項、などと台東区が言っていたら、台湾有事は存立危機事態として日本が攻められていなくても米国とともに対中戦争を構える高市政権に区民や区内滞在者の生命と財産を白紙で委ねることになりかねません。