行政、議会が保有する個人情報が危うくなる。
人権
DXの名のもと地方行政・議会が保有する個人情報の収集、利用・提供などの扱いにおいて、プライバシー権よりデータ流通が優先される流れに一気に進んでいる。
一昨年のデジタル改革関連法に伴う個人情報保護法の改正により、国はこれまで各自治体がつくり上げてきた個人情報保護条例を廃止し、全国共通ルールを地方自治体に押し付けている。
台東区は4月1日の改正法施行直前の第一回定例会で、施行条例、議会個人情報保護条例をつくる。多くの自治体が昨年から準備・審議を始め、パブコメなどを行ってきている中で、遅い対応であり、人権に対する台東区の軽視を指摘せざるを得ない。
議会個人情報保護条例は議会のルールを決めるので、議員提案になる。台東区議会は当初、2月16日の非公開の議員改革推進協議会で議案を確定し、3月15日最終日の本会議で一発採決、というシナリオだった。
私は、議員だけでなく陳情者や傍聴者など区民の個人情報を保有することになるので、正式の委員会で、議事録が残り、区民の目に届く審議をすべきだ、と主張。議会運営委員会に提案され、審議してからの採決という方向になった。
条例案は、現行区条例で「個人情報は基本的人権」を削除し、適正な取り扱いが確保、とプライバシー権が後退。議会が個人情報を取得する時、これまで「本人から直接収集」が削除され、利用・提供でも「本人の同意」が原則としては必要なくなった。(写真左が原稿条例、右が新しい議会条例)
国と全国議長会のひな型をそのまま踏襲したもので、私は「法律の範囲で、個人情報を人権とした台東区の顔が見える条例を」と16日の議会改革推進会議で主張した。