産科受診料の支援、まず安心相談窓口の設置を
人権
台東区は7月から低所得の妊婦への初回産科受診料を1万円補助します。住民税非課税または同等の所得水準で、市販の妊娠検査薬で陽性を確認した人が対象です。
私は、同事業が報告された14日の区議会子育て・若者支援特別委員会で、なぜ未受診になるのかの要因について質問。区は事例が少なく分析は不十分だが、父親がわからない、経済的困窮、月経不順など、前年都の「妊娠相談ほっとライン」を通じ台東区に寄せられた6件でわかった、と答えました。
日本は自民党政権の下、刑法の堕胎罪や中絶について配偶者の同意要件などリプロダクティブヘルスライツの遅れ、「妊娠の経過は取り扱わないものとする」という学習指導要領の「歯止め規定」による性教育の立ち遅れが、「中絶は罪。女性の責任」という風潮として沈殿し、妊娠をだれにも言えない社会的背景がつくられてきました。
私はそのことを指摘してうえで、「だれにも相談できず孤立している女性までこの事業はとどかない。検査も産科受診も無料、秘密は守ります、という安心できる相談窓口を、ワンストップセンターや地域の健康サポート薬局が連携してつくるべきだ」と求めました。
これに対し区は、一義的な対応は保健所が行う。健康サポート薬局などは事業の周知を広げる役割を果たしてもらうと答えました。これではこの事業は絵に描いた餅になりかねません。