16年求めてきた公契約条例、ついに台東区でも

台東区

 台東区公契約条例が第4回定例会で可決、成立します。区が発注する仕事を受注する企業に労働環境をまもる責務を果たさせるルールを定めたものです。基本的条項がほぼ漏れなく定められた優れた内容になっており、私は委員会で「23区でもトップクラス」と評価しました。この条例を生かし、公共事業や公的労働に携わる労働者の処遇向上が実際にすすむようチェックしていくことが重要です。

 公契約条例は、東京土建一般労組の「条例に係る検討委員会の設置を求める陳情」が2013年第1回定例会で趣旨採択され、庁内検討委員会が設置されて10年経過してきました。日本共産党区議団は2007年決算特別委員会で、私が公務労働に携わる労働者の処遇・労働環境について区として責任を果たすべき、との質問を皮切りに十数年来求めてきました。

 区が今回提出した条例案は、労働報酬下限額、報酬額以下の賃金について申出る権利と不利益扱いの禁止、報告及び立入検査、是正措置命令、契約解除、特定受注者(区が発注する相手、元請)の賃金支払いでの連帯責任などを明確にした先進的な内容です。

 一方、すでに条例が施行されている自治体の関係者からは「実効性がなかなか感じられない」という声も聞きます。

 私は審議された委員会で、条例を今後、実効あるものにするためには、公共工事労務単価の引上げ等が末端で働く労働者にしっかり反映されるようにすること。工事以外の請負契約や業務委託契約の賃金の下限が地域別最低賃金および区の会計年度任用職員の給与としているこ

 

とで賃金水準が低位に固定化することを打開すること。規則で適用除外となる委託企業で情報システム系の仕事に従事するIT労働者も条例の対象にすること…などを指摘しました。

 条例に基づき設置される「公契約審議会」は傍聴可能、審議内容をホームページ等で公開することを理事者は約束しました。

 この条例がしっかり機能し、公共事業、公務労働に携わるすべての労働者の処遇が改善されるようがんばります。