性暴力被害の根絶を~伊藤のぶ子区議が総括質問
日本共産党の伊藤のぶ子区議は3月19日の予算特別委員会総括質問に立ち、性暴力被害をなくすことについて区長、教育長を質しました。
実の父親に続きパートナーからも性的虐待を受けホームレスになった20代女性。アパートの大家から妊娠させられ中絶し精神的に追い込まれ自殺未遂した30代女性。知的障害の娘に性暴力をふるう夫の支配から逃れるため子どもを連れて家を飛びだした50代女性…。
伊藤区議は、自身に寄せられた性暴力被害者からの相談を挙げ、「DVや性暴力を根絶する社会にしなければならないと痛感している」と切り出しました。
第一に、台東区が性暴力被害者を守る役割を果たせているか、と問いました。区の相談の中心となるべき「はばたき21相談室」の区民の認知度は低く、経済的困難を伴う相談とそれ以外での対応が縦割りになっている弊害がある、と伊藤区議。「どうしたら相談室の認知度を引き上げられるのか。相談員のスキルアップや安定した相談・支援体制の拡充についてどう考えているのか」と質問しました。
これに対し理事者は、ホームページやSNSをはじめ周知に一層力を入れる。関係機関との連携強化により、悩みを持つ方、被害に遭った方が着実に相談室につながるよう努めていく。また、来年度から女性相談員を増員、研修や専門家によるスーパーバイズを実施していく、と答弁しました。
性暴力や性搾取など特に若年女性をまもるための法律が昨年6月に施行され、台東区は令和7年度からの「男女平等推進行動計画」で、これまで所管別に対応していた相談を「支援調整会議」を設け連携していく方針を掲げました。実効が上がるよう期待します。
包括的性教育でも前進の芽
伊藤区議は続いて、性暴力被害をなくすためのジェンダー教育と包括的性教育について取り上げました。
まず、男女平等推進プラザが開いている講座は回数や参加者が不十分だ。性暴力被害に関する知識を区民に広めるため、ジェンダー平等と包括的性教育の学習会を地域で開くべきではないか、と質しました。
理事者は、身体的暴力だけでなく、避妊に協力しないことも暴力と感じている区民はアンケートで増えているが、区民にわかりやすく性暴力・被害への認識を広げていく。学習会も工夫しながら行い、ジェンダー平等社会の実現を推進していく、と前向きな姿勢を見せました。
一方、子どもの実態に応じた学校での包括的性教育の推進を、と求める伊藤区議に対し、区教育委員会は、学習指導要領と「生命の安全教育」をはじめ学校教育全体で取り組んでいく、と答弁。受精や妊娠の経過については取り扱わない、という学習指導要領の「はどめ規定」にしばられる立場を崩しませんでした。しかし、「子どもの実態を踏まえ各学校園が作成した指導計画に基づき」「性に関する指導」を行う、と各学校の自主性を示唆する、これまでから一歩抜け出た答弁があったことは重要です。
今後も声を届け、性暴力から子どもを守るためのジェンダー教育、包括的性教育を前にすすめさせていきましょう。