大阪万博への修学旅行は再検討を~区教委に申し入れ

安全・安心
 日本共産党台東区議団は3月18日、区立中学校2校が修学旅行で大阪万博を計画していることを知り、子どもの命と安全を最優先する立場から再検討を求める要望書を区教委に提出しました。
 区教委は「子どもの安全を第一に、学校とともに情報収集や対応について万全をつくす」と答えました。
 以下、要望書です。
 
 
台東区教育委員会
教育長 佐藤 徳久 様 
 
大阪・関西万博の修学旅行先について見直しを求める緊急要望書
 
2025 年4月18日
日本共産党文京区議会議員団 秋間洋 伊藤延子 鈴木昇
 
日頃より、教育環境充実のためにご尽力いただき、感謝申し上げます。 
EXPO2025 大阪・関西万博が4月13日に開幕しました。大阪・関西万博の開幕前に、実際に会場内へ来場者が入場して試験的に会場を運営した「テストラン」(4月5~6日)の前日には、ブラジルパビリオン内で火災が起き、消防車両16台が駆けつける事態となりました。出火原因が不明とされる中、6 日にはグリーンワールド(GW)工区で着火すれば爆発の恐れがある濃度(5vol%)を超えるメタンガスが検知され、消防隊が出動する事態も発生しています。 
開幕日となった13日には、爆発濃度のメタンガスが検知されたマンホールのふたは取り外され、「立ち入り禁止」の張り紙をしてガス放出のため開けたままであり、子どもがお弁当を食べる団体休憩所の真正面にガス抜き管があるなど、至るところに危険を抱えたままだと報道されています(「しんぶん赤旗日刊紙」4/14付)。 
こうした中、修学旅行で大阪・関西万博を訪れる予定だった千葉県船橋市立の中学校が、行き先をユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ・大阪市)に変更したことを「毎日」紙(4/12 付)が報じました。理由について学校側は「会場内でメタンガスが検知されたことなどを総合的に判断した」としています。
背景には、メタンガスの検知を受け、複数の保護者から「万が一のことが不安なため、安全な場所に変更してほしい」という要望があり、学校側は11日に保護者会を開き「安全義務を全うできる自信がない」として、行き先の変更を伝えたと言います。  
大阪・関西万博会場の夢洲は大阪市のごみ最終処分場として造成され、ダイオキシン、PCBを含む有害物質や下水汚泥で埋め立てられた人工島です。夢洲1区は現役の廃棄物最終処分場であり、1日約1.5~2 トンのメタンガスが発生しており、爆発事故の可能性を排除できない立地です。
他にも、大規模な地震や津波への防災対策の不十分さ、木造リングの上には屋根もベンチも設置されておらず、夏場における熱中症の危険性もあります。また、子どもたちが昼食をとる場所となりうる団体休憩所は、屋根があるだけで壁はなく、暑さや強い雨をしのげるのかという心配など、様々な問題が指摘されています。 
区内2校の中学校が万博への修学旅行を計画していると聞いています。教育委員会として、子どもと引率する教職員の命と安全最優先の観点から、修学旅行での万博見学は学校に再検討するよう求めることを要望します。 以上