過去最高額の台東区来年度予算。区民生活の応援を!
台東区は4日、来年度予算案を発表しました。
一般会計が1037億円、前年対比42億円(4・2%)増で区政史上、過去最高額になりました。前年は区長選前のいわゆる「骨格」予算でしたから、服部区長2期目の「本格」予算である第2回補正予算と比べて23億円(2・3%)増です。
規模が大きくなった一つの要因は人件費で、法改正によりこれまでの非常勤職員が会計年度任用となったことなどが反映し13億円増えました。職員と同じく区民を支え、職員の3分の1を占める会計年度任用職員の処遇改善は当然のことです。
扶助費は10億円ほど増えましたが、その多くは保育委託の増加と幼保「無償化」によるもので、人件費・公債費と合わせた義務的経費の一般会計に占める割合は前年より低下しています。
使途が自由な一般財源の中で目立つのは、東京2020大会への関連事業に4億円、小中学校ICT教育の推進に8億円計上したことでしょう。江戸台東ショップ(2600万円)は地場産業支援の視点では期待したいですが、過去浅草の皮革ブランド出店が失敗した教訓を踏まえないと同じ轍を踏みかねません。
放課後子供教室の上野・谷中・浅草・金竜小学校など4校実施(2億円)は、学校教育への影響、こどもクラブ・児童館とのかかわりなど、現場の声をよく聞き、検証しながらすすめるべきです。
これらの事業については所管の委員会や予算委員会で精査する必要がありそうです。
評価できるのは、多胎児家庭を支援するため産前産後支援ヘルパーの派遣を行う事業(600万円)、養育支援を必要とする家庭のショートステイ(3300万円)、障害者グループホームや児童発達支援事業所などの障害者施設整備助成を拡充(5500万円)したことです。
これらの財源を確保するために、基金を57億円活用する、としており、基金の積極活用は重要です。しかしこの間、予算では平成30年度・30億円、31年度36億円基金を取り崩す予算でありながら、全く取り崩しませんでした。
国保料・介護保険料などの負担を増やす一方で、行政計画事業は8割程度の執行だった結果です。消費税の10%への増税、社会保障制度の連続改悪など、苦しく不安な区民生活に寄り添った予算にするため、「チェック+提案」でがんばります。
写真は養育困難家庭の児童のショートステイを整備する、日本堤子ども家庭支援センター谷中分室。