台東区長は新自由主義への追従から転換を~第三回定例会で日本共産党区議団が一般質問

台東区

日本共産党の山口銀次郎区議は第3回定例会の一般質問で、服部区長に対し、政治姿勢、地域経済、風水害対策、感染症拡大防止策などについて質問しました。区長は、新自由主義に追従してきたことについて見解を示さず、消費税減税や低所得者へのエアコン助成制度など、区民の切実な願いに背を向けました。

 

新型コロナウイルスは新自由主義の脆さを明らかにしました。台東区でも新自由主義の弊害がいくつもあらわれました。

山口区議は、その例として、区立台東病院への名指の再編統合攻撃、永寿病院院内感染を拡大した検査体制の立ち遅れ、EUとの自由貿易協定による皮革履物産業への打撃、インバウンド偏重の観光政策の破綻を挙げ、このような新自由主義的な国の政策に追従してきた区長の姿勢を見直すよう求めました。

これに対し区長は、コロナ禍で区民生活と区内経済が深刻な影響を受けているという認識を示しながらも、深刻にさせている新自由主義という「疫病」についての認識を示しませんでした。これでは区民の苦しみを取り除けません。

昨年の消費税増税が区民生活と区内中小事業者に打撃を与えていたところに、コロナが追い打ちをかけました。山口区議は、この間の支援策は一定の効果はあるが短期的、根本的な支援策として消費税を減税すべきだ。区長として国に消費税減税を進言せよ、と迫りました。

区長はこれに対し「国において適切に判断するものであり申し入れについては考えていない」と答えました。新自由主義への追従姿勢であり、区民によりそう立場ではありません。

山口区議は、インバウンド頼みの観光政策からマイクロツーリズム(30分から2時間で行ける近距離旅行)や、台東区の良さを再確認できるような観光を振興すべきではないか、と質問。区長はこの提案に対し、すでに行っている施策を示すとともに今後も前向きな展開を行うことを約束しました。

しかし

区長は、災害級の猛暑の中で、エアコンのない低所得者・生活保護利用者に、区独自の購入・修繕、電気代補助を、という山口区議の求めを退けました。

また、風水害対策として山口区議が提案した、①荒川氾濫時の浸水深表記②都営住宅の空き室活用については、「今後の研究」にとどまりました。

インフルエンザ流行期に備え国が10月からの整備を求める「診療・検査医療機関」をどう区内で拡充するのか、との質問には、具体的な数値目標を示さず「区民が不安にならないような体制づくりを進める」と答弁。3~5月、区民を不安に陥れた相談・検査・診療体制です。秋から冬、感染拡大を抑制し、地域医療体制を整備できるよう共産党区議団は引き続き求めていきます。