子どもたちの声が政治を動かす~山形・遊佐町の少年町長・議員

活動報告

11月19日、山形県遊佐町の少年町長・少年議員事業を視察しました。

山形県は先の総選挙の投票率が64.3%と前回選挙に続き全国トップです。遊佐町は上回る65.7%、18歳の投票率も63.5%と高い町です。

少年議会制度を設けている自治体はかなりありますが、遊佐町は町長・議員の選挙を中高生自ら立候補し、政策を掲げ公報を発行し、投票により選ぶこと。年間45万円の独自予算をもっていることが特徴です。就任した町長や議員は施政方針を行い、一般質問には町の理事者が答弁に立ちます。

この間、町のイメージキャラクター「米ちゃん」、地域特産品の開発、若者の居場所・スタディスペースの設置、ミュージックフェスティバルの開催などを実現してきました。

帰宅時間の電車の増便や街灯・防雪柵の設置など、年間予算ではできないものも要望書をつくり町行政や関係機関と協議し、一部実現してきました。

今期が19期目。すでに町に定着した制度になっており、さきごろ日本マニュフェスト大賞の最優秀賞を受けたそうです。

私が話を聞いた高1女子は「町会議員との懇談は貴重な経験だった。私たちの居場所を、と言っても居場所のイメージが違う。私たちの目線を知ってもらうことが大事だと感じた」。3期目となる高2男子は「私が住む山間地に街灯をつけてほしいと要求しが、まだ実現できない。何とかしたい」と、町の政治にかかわり、動かすこともできる、という自信が伝わってきました。

前期町長を務めた斎藤愛彩(あや)さんは、少年議会発足が発足した20年前の小野寺町長に、なぜこの事業を始めたのかを聞きにいったそうです。小野寺元町長は、遊佐町の中高生は保護、指導される存在として扱われ、まちづくりや政治に参加する一員とされてこなかったのではないか、と疑問に思い、立候補・予算付け・政策提起をもつ少年議会の発足を考えたことを知りました。しかし、今の町はまだまだ若者不在で様々なことを進めていないか。自分の故郷に対しての当事者意識を持てるよう、さらに参加できるシステムをつくってほしい、と主張しています。

感動しました。