トップダウンの学校建替え計画見直し、統廃合は中止を ~第2回区議会定例会代表質問⑥・・・子どもの教育環境の向上最優先に 田中まさや議員が、区政リポート7月23日号を発行しました
第2回区議会定例会代表質問⑥・・・子どもの教育環境の向上最優先に
トップダウンの学校建替え計画見直し、統廃合は中止を
物価高騰・資材不足と人件費の増加などで、渋谷区の学校建替えロードマップは大幅な見直しが迫られています。そもそも学校は、子ども、地域にとって重要な施設であり、トップダウンで区が決めた計画を押し付けるやり方が大きな矛盾に直面しています。
今号では、第2回定例会の代表質問で、牛尾団長が行った「教育について」の質問と答弁をご紹介します。(質問・答弁は要旨)
⑴学校建替えロードマップの見直しについて
「新しい学校づくり整備計画」は、施設の大規模化と建設業の時間外労働規制などにより、1校の建て替え期間が5~6年必要になったとして、ロードマップの見直しをしましたが、22校の建て替えをいかに早く行うかの検討を行っているに過ぎません。その結果、新たな仮設校舎建設候補地として広尾小学校のプール用地や区立大山公園を加えるとしています。
実際、広尾小学校に仮設校舎を建てれば、プール使用は広尾中に借りることになり、狭い校庭を2校で使用する期間も相当な長さになります。大山公園の仮設校舎により、樹木の大量伐採、長期にわたる公園機能が失われます。
今求められているのは、各校の建て替えをトップダウンで決めるのではなく、一旦立ち止まって、学校ごとに住民参加で計画を再検討することです。
各学校の建て替えは、それぞれの地域で子どもたちの教育環境の向上を最優先にして、子どもと保護者、地域住民、関係者の合意にもとづいて進めるべきです。
長谷部区長答弁
学校建替えの進め方については、現在も学校ごとに建替え準備委員会を立ち上げ、学校や保護者、地域の皆様など幅広い関係者のご意見を伺うとともに、児童・生徒の意見も踏まえながら、教育環境の向上を目指した計画の策定を進めています。引き続き、様々なご意見をうかがい対話を重ねながら、子どもたちにとってよりよい教育環境の実現に向け、着実に推進します。
⑵学校統廃合は中止を
小中学校6校の学校統廃合は、住民が求めたものではありません。統廃合の根拠とされた各校の児童生徒数の見通しは大きく外れ、学校長寿命化計画で示された2025年の想定人数と実際の児童数を比較すると、代々木山谷小の154人増、富ヶ谷小の100人増をはじめ、小学校18校中6校で50人以上増えています。30年も先の児童生徒数の減少を見込んで学校を減らすのではなく、子育て世帯が住みやすい渋谷区をつくり、子どもが伸び伸びと学べる教育環境をつくるのが区の仕事です。
学校を統廃合して小中一貫校にすれば、子ども一人当たりの運動場面積も小さくなり、階層が増えて縦移動の負担が増します。今でさえ狭い敷地に多くの子どもが生活することになり、小学校高学年の子どものリーダーシップの発揮など、新たな問題も生まれます。また、学校を中心に育んできた地域コミュニティを衰退させることにもなりかねません。いったん学校を廃止してしまえば、子どもの数が増加しても再び学校を増やすことは至難の業です。
地域住民や関係者の熟議もないまま決定された統廃合は中止すべきです。
区長答弁
小中一貫教育校化は、小学校、中学校がそれぞれ存続するものであり、ご指摘の統廃合には当たりません。また様々な場面で地域、保護者の皆様から頂いたご意見をふまえ、対話を重ねながら計画を進めます。小中一貫教育校への期待の声も多くいただいているので、計画を中止する考えはありません。
⑶建て替えありきの見直し
資材や人件費の高騰で、建て替えありきが大きな問題となっているだけに、リファイニング建築を含めた整備手法の検討が必要です。区長は、再生建築は、多くの改修コストがかかる上に、改修後の使用年数が短く、経済性の観点からまだまだ課題があると言いますが、リファイニング建築の開発者である青木茂氏は、コストは建替えの6、7割で、建物を100年もたせると言います。自由設計で増築もできるので、ラーニングコモンズの設置も教室を広くすることも可能で、学校を始め公共施設でも取り入れられています。
工期の短縮と費用の縮減を図るためにも、建替えに固執せず、学校整備の手法としてリファイニング建築を選択肢として検討すべきです。
区長答弁
リファイニング建築についても、多くの費用が必要となる上、改修後の使用年数が限定的であるなど経済性の観点巣から課題があります。引き続き、老朽化が進んでいる学校施設については建て替えを基本として計画を進めます。
⑷教職員の増配置を
教育は、教員と子どもの人間的な触れ合いを通じて、子どもの成長と発達を促し人格の完成をめざす文化的な営みです。そのために何よりも求められているのは、教員が一人一人の子どもと向き合う時間を保障する教育条件の整備です。
国は少人数学級の優位性を認め、今年度からようやく中学校1年生から順次35人学級を実施しますが、直ちに全学年の35人学級を東京都に求めるとともに、区として実施すべきです。
また、小学校についてもさらに30人学級を進めるべきです。教育長は、全国都市教育長協議会から国に対し、30人学級の完全実施を要望していると答弁してきましたが、区として30人学級を実施する考えはないと答えています。
30人学級を実施するために、何が障害となっていると考えているのか、また東京都に30人学級と教員の増配置を強く求めるとともに、区として実施すべきです。
伊藤教育長答弁
区独自に前倒しする考えはない。30人学級は教員の確保、施設面の対応、財源の確保など課題がある。特別区教育長会などを通じて要望活動をする。