工事費4割減、CO2排出量8割減、50年の長寿命化を実現 ~リファイニング建築(再生建築)の大東市・諸福小学校を視察 田中まさや議員が、区政リポート8月6日号を発行しました
リファイニング建築(再生建築)の大東市・諸福小学校を視察
工事費4割減、CO2排出量8割減、50年の長寿命化を実現
7月13日、日本共産党区議団は、リファイニング建築を採用して、小学校の長寿命化をおこなった大阪府大東市の諸福小学校を視察しました。諸福小学校は、児童数548人、学級数17(特別支援教室10)クラスで、渋谷では笹塚小学校と同規模で、築52年です。同市では、 公共施設の長寿命化を進めるうえで、施設の老朽化と市の財政事情を勘案して、現在「公共施設等総合管理計画」を改訂中で、市の施設の3分の1を占める学校の長寿命化に際して、「建替えありき」でなくリファイニング建築も検討対象にしています。
なかでも、市立諸福小学校は、同市で初めてプロポーザルによる公募で、青木茂建築工房のリファイニング建築を採用し、今年4月に竣工しました。
視察でまず驚いたのは、まさに「新築そっくり」だったことです。外壁は、耐久性に優れたガリバリウム鋼板で覆われ、教室の内装も新築同様でした。説明を受けた部屋は、「ラーラングリビング」(左写真)と呼ばれる広い図書室兼多目的ルーム。渋谷区で進めている「ラーニングコモンズ」と同じものです。この部屋は既存校舎の中庭に増築したものですが、既存施設にとらわれず自由に設計できるリファイニング建築の良さを感じました。
「建替えありき」の計画見直しを
リファイニング建築のメリットは何といっても、コスト削減です。諸福小学校の場合、設計費7440万円、工事費21億1550万円で合計約22億円です。渋谷区の直近の学校建替え契約は代々木中学校(プールは設置しない)で、工事費は128億円です。施設面積は諸福小学校が代々木中学校の約1.5倍ですが、これを考慮しなくても建替えの約2割で整備が可能です。渋谷区の「学校施設長寿命化計画」(以下「計画」)では、「躯体の補修等に多くのコストがかかる場合は、残りの使用年数から経済性判断を行い、建替えも視野に入れ」るとしていますが、党区議団が何度もリファイニング建築を提案しても検討した形跡はありません。学校ごとに、リファイニング建築と建替えの比較を行って、区民や関係者に示すべきです。
大東市では、今年度中に長寿命化する2校でリファイニング建築を採用するとのことです。渋谷区も建替えありきはやめて、「計画」の抜本的な見直しをすべきです。
ご多忙な中、視察を受けていただいた大東市様と青木茂建築工房様、諸福小学校の皆様に、感謝を申し上げます。
諸福小学校のリファイニング建築の効果(視察時の回答より)
- 工事費3~4割縮減
- 解体による廃棄物とCO2は7~8割削減
- 工期も短縮※仮設でなくローリングにより学校を止めない。
- 工事開始以後も設計の変更可能。
※子どもと学校の要望を反映できる。 - どんな建物も50年寿命が延び、安くなる。 <視察での共産党区議団の質問と大東市の回答>(抜粋・概要)
Q.「長寿命化」について、建て替えでなく「リファイニング建築」を選択した理由とメリット。今後の予定について。
A.プロポーザルで最も期待できる提案だった。単なるリフォームでなく、スケルトンにして耐震化して、新築そっくりになった。築80年でも鉄筋が大丈夫なら可能というものだった。財政的な問題もある。
今年度2校でリファイニング建築を採用。公募の4分の3で青木茂設計工房を採用。文科省の方針にも合致している。今後、保育園なども検討している。
Q.予算と工期、仮設の有無。更新と比較して予算的、工期などのメリット。
A.設計費7440万円、工事費21億1550万円、工期令和6年10月~3月、仮設だけで数億円なのでローリングして施工。
メリットは、1)工事費3~4割縮減。2)解体による廃棄物とCO2は7~8割削減。3)ローリングによって学校を止めない。工期も短縮。4)工事開始以後も設計の変更可能。子どもと学校の要望を反映できる。どんな建物も50年寿命が延び、安くなる。
設計についても、ラーニングリビングを新設した。上昇気流を取り入れる設計にしてある。中庭を活用した創造的な教室で、新たな教育を展開。中庭のオープンスペースを囲んで廊下で、学年ごとに特別支援学級と全体がつながった。

↑リファイニング後の諸福小学

↑中庭に中庭に増設したラーニングリビング

↑ラーニングリビングの内部