区民に元気を! 日本共産党区議団の予算修正案を提案。

台東区

 3月11日、台東区議会予算特別委員会で、日本共産党区議団の2022年度予算修正案の提案理由説明を行いました。以下、全文です。

 私は、日本共産党台東区議団が9日、本委員会に提出した、第5号議案「令和4年度東京都台東区一般会計予算」および第6号議案「令和4年度東京都台東区国民健康保険事業会計予算」の修正案について説明いたします。

 わが党区議団の修正案は、新型コロナウイルス感染症拡大防止、くらし・営業・福祉の支援、希望と潤い…の3つの分野に24億9千万円の予算を組み、区民に元気を出してもらい健康とくらしの危機を乗り切ろうという内容です。

 お手元の資料をご覧ください。まず一般会計予算の修正案です。2ページ及び3ページをご覧ください。歳入、歳出とも24億723万1千円増額し、総額1083億723万1千円とします。一般会計予算2.3%規模の修正です。

 2019 年の消費税10%への増税に加え、新型コロナウイルス感染症、諸物価の高騰により、区民は経験したことのない、健康と命、くらしと営業の苦しみと不安の中にあります。

 3回目のワクチン接種の立ち遅れ、無症状者へのPCR検査の軽視など、なりゆきまかせの政府のコロナ対策により、感染拡大の現在の第6波は死者が最多を更新し続けています。台東区では第5波に続き保健所が機能しなくなりました。学校や保育園などが休校・休園、学級閉鎖を繰り返し、家庭内感染が広がり、高齢者や障害者の命が脅かされています。

 区民のくらし、人権も脅かされています。区が行った区内中小零細事業者の調査では82%が売上減少と答えました。困窮者自立支援と要保護児童やDVでの相談が急増しています。

 

 ところが区の予算案はそんな区民の不安に寄り添い一緒に打開していこうという内容になっていません。

 コロナ対策は、台東保健所の機能が崩壊し、地域医療がひっ迫した教訓を踏まえたものになっていません。またまた「想定外」と誤りを繰り返しかねない内容です。

 くらし・営業の支援策は国や都の施策の枠内、従来の延長にとどまっており、区民に希望を与える内容ではありません。

 逆に、年金が値下げになる中で後期高齢医療保険料は値上げになります。この10月から窓口負担が2倍になる75歳以上の区民に医療費が重くのしかかり、コロナ感染が予断を許さぬ中で受診抑制がすすまないか心配です。区は国民健康保険料も値上げ方針です。

 日本共産党区議団の主な提案を、3つの分野別に説明します。

 第一の感染拡大を防ぐ対策では、対策本部の抜本的強化、検査と医療・療養支援体制の拡充をすすめます。

 区の対策本部を、専門家を招き総合的で強力な体制にし、区内の感染情勢を的確に把握・分析したうえで科学的な対応をすすめます。保健所の常勤保健師の増員、すぐにPCR検査結果が出る機器の整備、地域に感染拡大防止に緊急対応できる福祉的ベッド数床の確保と自宅療養者支援のネットワークを拡充します。

 介護・福祉従事者への定期PCR検査は施設だけでなく、在宅・通所系に拡大するとともに、陽性者が出ても事業が続けられる支援を行います。学校・園の教職員や関係者には定期的PCR検査を行い、陽性の子どもが出たら速やかに同じクラスの子ども全員に検査を行いすぐに結果を出し対応できるようにします。

 検査キットの十分な備え、区民誰もがいつでも何度でも無料で検査できる体制を整えます。

 以上に7億8400万円を投入します。

 

 第二はくらしと営業・福祉の支援です。

 まず、介護と障害福祉を担う人材確保の予算を2.5倍に、ふれあい入浴券枚数を倍にし、長寿祝金を復活します。次年度実施の高齢者の聞こえ改善機器支援制度をよくする調査研究を行います。

 「台東区で子育てしたい」と言われる子育て支援策を講じます。出産応援手当を10万円、小学校入学・中学校卒業という義務教育の入口出口で10万円の教育・未来支援金を支給します。

 教育ではオンライン授業等のICT環境の充実に9500万円、学校給食の食材費を区が負担し、給食費保護者負担をなくします。配慮の必要な子ども対策に3000万円の予算をつけます。

 高すぎる国民健康保険料の引き下げへ、まず就学前の均等割り保険料を無料にします。

 中小零細事業者を守り、活性化するため、産業と観光分野での骨太方針を区民参加で練り上げます。新たな施策・中小企業グループ地域力向上支援は素晴らしい施策ですが、事業規模が小さすぎます。脱炭素など思い切ってテーマを深め、参加件数を3倍に増やします。

 区のコロナ融資の借り換え期間と回数の延長、返済が始まってからの条件変更への信用保証料補助を3億円追加し実行します。

 以上、くらし・営業・福祉に14億8600万円の予算をつけます。

 

 第三は、希望と潤いです。

 今夏、中学生を被爆地・長崎に初めて派遣しますが広島にも派遣します。コロナ禍でくらしと運営に苦しむ文化・芸術関係者、劇場・舞台などの活動支援に1億円、再エネの市民電力の育成、省エネ支援に2900万円、動物愛護を150万円増額するなど、未来への投資に2億円1千万円を計上します。

 以上、24億9千万円の増額です。財源は、不要不急の事業の休止、公益大企業の道路等占用料政策減免の廃止、今年度末残高512億円を見込む基金の4.8%の取り崩しで賄います。

 

 次に8ページ、国民健康保険事業会計は、就学前の子どもの均等割り保険料を無料にするための5900万円の修正案です。歳入歳出の金額は区予算案と変わりません。

 

 一般会計のわずか2.3%修正しただけでも区民に元気を与えられます。ぜひご賛同いただきますようお願いいたします。