一般質問で区長の姿勢ただす㊦ 小包集中局跡地問題
14日の一般質問では、続いて、旧東京北部小包集中局跡地の活用問題についてとりあげました。
昨年暮れ締め切った民間事業者からの活用提案はわずか2件。どちらもスーパーマーケットでした。最大の区有地・1万㎡の区民の財産をスーパーに提供することが自治体としてふさわしいでしょうか。
区は跡地活用について、北部地域のまちづくりの拠点、また台東区全体の活性化に資することを目的、としています。昨年第2回定例会ではわが党の質問に「民間提案公募の中でも区民の意見を十分取り入れながら進めていく」と答えました。
区は昨年1年近くにわたり、区の考え方を示し、事業者からの質問に答え提案書の提出要件を詰めてきました。そのうえで受理に至った結果がスーパーマーケットだけとはどういうことでしょうか。
日本共産党区議団は、長年塩漬けになってきたこの地の活用を打開するには、区が政策目的をもっと明確にすることが重要である。北部地域のリノベーションまちづくりという区のコンセプトにふさわしい現存建物の活用を、と主張してきました。企業主導・民設民営ありきの手法はやめるべきだ、と指摘してきました。
そして昨年の第2回定例会では、猛暑でもスケートボードやスリーオンスリーなど子どもと若者が思い切って遊びスポーツができる施設、区民の交流が深まる文化・コミュニティ施設を。整備に当たっては防災機能の拡充と創エネ・省エネの徹底を…と提案してきました。
今回の事業者提案は、民間事業者がこの地への設備投資で利益があがるプランはスーパーマーケットしかなかったことを示しました。区はしっかり財政を投入し、区民福祉に資する活用に切り替えるべきです。
17年前、浅草橋駅前の旧福井中学校跡地を大手不動産会社のビルとして定期借地で利用させました。あの時この企業は、浅草橋駅の将来のバリアフリーに備えた設計や、ホールの災害時避難場所への協力など区と区民が求めていた公共的機能を断ってきました。その後、この地域の子どもの増加で保育園、こどもクラブ、小学校の教室が不足し、それは現在も続いています。子ども子育て支援施設として生かしていたらどれだけ区民福祉に貢献したでしょうか。
私は、①スーパーという提案は当初目的に沿ったものと評価しているのか。②提案公募のなかで区民の意見はどこに反映されたのか、と質しました。
さらに、公共的機能が乏しく、北部地域のまちづくり・地域活性化に逆行する今回の事業者提案は白紙に戻し、区が主導し区民参加で活用方針や手法を再構築すべきではないか、と区長の考えを求めました。
これに対し理事者は「本跡地については、地域価値の最大化、回遊性の向上などの課題を踏まえた北部地域のまちづくりを推進するため、民間の創意工夫を活かしながら、街づくりの拠点として機能することを活用の目的とし」公募した。区民の意見を聞くためにアンケートを実施し、選定委員会で適正な審査を行っていただいた。区はその結果を踏まえ総合的に検討をすすめていく、と答弁しました。
スーパーマーケットが「地域価値の最大化、回遊性の向上」といういままで掲げてこなかったコンセプトにどう役立つのか、全く不明で答弁になっていません。アンケート結果も区民に知らされていません。これでどうして、北部地域のまちづくりや地域活性化に資することができるでしょうか。問題です。