ケアに手厚い台東区政へ転換を~決算委員会で日本共産党区議団②

日本共産党の鈴木のぼる区議は10月21日の区議会決算特別委員会で、コロナ禍の下で、介護、保育、教育など分野で充実すべき問題について質問しました。

介護事業所と従事者は、自ら感染する危険の中、利用者に感染させてはならない責任感で働いています。しかし、コロナによる経営・処遇の厳しさはさらに増しています。

鈴木区議は、感染する不安のある満員電車に乗って出勤する介護職の声をとりあげ、区内で住む介護従事者への家賃補助を行うべきだ、と区長に求めました。これに対し区長は、介護人材の育成・定着は重要だが、家賃助成は考えていない、と答えました。

区長は答弁の中で、介護職の研修や資格取得に要する費用助成、介護職等就職フェアに取り組んでいる、としました。それぞれ大事な事業ですが、検証が必要です。フェアに参加したある事業所は「あれは大失敗だった。介護職は失業手当延長の証明をもらいにきた人が多かった」と評価しています。

昨年行った区の介護事業所調査では、経営の厳しさの原因のトップが「採用が厳しい」で70%を占めています。区は介護人材の確保と育成に、もっと大胆に踏み込むべきです。

 

保育の質が後退し続けています。保育現場での子どもへの虐待問題がメディアでも多く取り上げられています。区内には企業経営の認可育所や小規模保育所等が増えており、保育の質の確保は区政の重要課題です。

鈴木区議は、職員体制が薄く、区が指導検査できていない実態を告発。指導検査を専任する職員を配置すべきだと求めました。

教育長は、実際に現場に赴く指導検査が保育の質の向上にとって大変有効な手段であることを認めながら、専任を含む体制強化について約束しませんでした。

子ども子育て支援法から5年。同法は、自治体が地域型保育事業等に対し、保育の質を担保するため認可保育園などの連携園を設けることを義務付けました。台東区は連携園による保育の支援を条例で定めている以上、もっと踏み込むべきです。

 

教育の分野では、40人学級では教室内での子ども間が「ガイドライン」の距離を満たしていない場合がある。学級の登校児童数が半分になった分散登校時、教師は「子どもたちとの距離が近づいた」と話していた…。

鈴木区議は「感染リスクを少なくし、一人ひとりに向き合える少人数学級の検討を開始すべきだ」と求めました。教育長はこれに対し、国の検討を注視する、と従来の見解から踏み出しませんでした。

鈴木区議の質問は、コロナ危機を乗り越える社会は、自己責任を押し付ける新自由主義から、人々が支え合う社会的連帯への転換を求め、とくにケアに手厚い社会を台東区からつくろう、というものでした。区長そういう方向ではありませんでした。