学校給食の無償化切り開いた日本共産党~台東区では㊤
今年1月から東京都内のすべての自治体で学校給食費が無償になりました。長年にわたる住民・保護者の声と運動、国会・地方議会での日本共産党の粘り強い論戦が実りました。なかでも大きな力を与えたのが文科省の「給食食材費は保護者負担」という学校給食法の壁を打ち破った2018年12月の吉良よし子参議院議員の質問です。台東区では2023年1月から無償化が始まりました。それまでの経過を2回にわたりふり返ります。
台東区の無償化は2022年12月、第4回定例会での補正予算からスタートしました。この定例会には区民から「台東区立小中学校の給食費の完全無償化を求めることについて」という請願(紹介議員は日本共産党区議3人、堀越秀生、山口銀次郎、河井一晃区議の6人)が572人の署名とともに提出されていました。議会は2つの議題を同時に審査することになったのです。
区の提案は緊急経済対策という位置づけであり、全会派が賛成し補正予算が可決されました。しかし、請願は自民、公明、つなぐプロジェクトなどの反対で不採択になりました。
「学校給食法で食材費は保護者に負担となっている」(自民)、「現時点で直ちに制度化して恒常的なものにするというところは無理がある」(公明)、「一自治体である台東区は法の下で事業を実施していかなくてはいけない」(つなぐプロジェクト)などが理由です。共産党とたいとうフロンティアの一部は採択の姿勢を明確にしました。
「制度としての無償化には反対、物価高騰対策での食材費補助は賛成」というのが2年余前の台東区議会の姿勢でした。
その後、日本共産党は2023年の区議選で「学校給食の恒久的な無償化」を最大の公約にたたかい、選挙直後の同年第2回定例会に吉岡誠司区議の賛同を得て「台東区立学校給食を実質無償化する条例」を提案しました。
この条例案を審査した区民文教委員会では鈴木のぼる区議が趣旨説明。この年1月からの給食費食材費補助は緊急経済対策として予算措置されたものに過ぎず、恒久的なものではない。義務教育無償という憲法の要請通り、制度として無償化するためには条例が必要、と趣旨を説明しました。
審議では、れいわ立憲にじいろの会は「恒久的無償化が必要」と賛成しましたが、「国の動向を見るべき」(自民)「法の趣旨にのっとり条例化は困難」(公明)「6億円の財源は大変」(無所属・国民民主)と反対し成立しませんでした。
その後も共産党区議団は恒久的無償化を主張し続け、区は2024年第一回定例会で「国が施策を講じるまでの間、これまでの支援(食材費の全額補助=給食費無償化)を継続していく」と表明し、恒久的無償化が実現することになりました。
ここに至るまでには、日本共産党区議団が20年近く前から教育費への私費負担を軽減するための追求と、国や都での共産党議員団の質問が営々と繰り返されてきたのです。(つづく)